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Q&A

Q&A
どのような脊椎や脊髄の異常が症状を発生しますか?
  • 1.椎間板ヘルニア脊椎骨は椎間板により結びつけられています。椎間板はこんにゃくゼリーのような髄核が麻袋のような線維輪により覆われている構造をしていますが、線維輪が破綻して髄核が脱出することを椎間板ヘル ニアといい、中年に多く発生します。
    頸椎椎間板ヘルニアでは手に痛みや痺れを発生することが多く、腰椎椎間板ヘルニアでは足に痛みや痺れを発生します。安 静にしていれば症状が改善することが多いのですが、症状が改善しない場合には手術を考慮する必要があります。

    椎間板ヘルニア
    椎間板ヘルニアのMRI
  • 2.その結果、脊髄や神経が圧迫さ れるようになって症状が発生しますが、症状の多くは椎間板ヘルニアと類似しています。
    加齢とともに発生頻度は増加していきますが、骨や靭帯の変形はもとに 戻ることがないので、症状が日常生活に影響を及ぼすようになると手術を考慮する必要があります。
    頸椎が変形して症状を発生する場合には変形性頸椎症と呼ば れ、腰椎の場合には変形性腰椎症と呼ばれます。
    変形性腰椎症は、若干意味合いが異なりますが、腰部脊柱管狭窄症とも呼ばれます。腰部脊柱管狭窄症では、神経を包んでいる硬膜嚢が圧迫されて間欠性跛行が発生します。
    間欠性跛行とは、しばらくは歩けるが、たとえば100m 歩くと足がだるくなったり足腰に痛みがでたりして歩けなくなり、しばらく休むと再び歩けるようになるという症状を指します。腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症 状です。

    変形性頭椎症
    変形性腰椎症 腰部背柱管狭搾症
  • 3.脊柱管が生まれつき狭い場合には、軽微な脊椎の変化で脊髄や神経が圧迫されて症状が発生しやすくなり、発育性 脊柱管狭窄症と呼んでいます。
    頸椎の脊柱管前後径の平均値は概ね16mmですが、13mm以下の場合には発育性脊柱管狭窄症の疑いがあります。頸椎MRI では同部で脊髄周囲の脳脊髄液が減少しているのが認められます。
    比較的若いころから症状が発生しやすく、早い目の手術が推奨される場合があります。頸椎と 腰椎ともに脊柱管が高度に狭窄している場合には広範脊柱管狭窄症と呼ばれており、難病の特定疾患に指定されています。

    頭部背柱管狭搾症
  • 4.靭帯骨化症脊椎骨を結ぶ靭帯の主なものに後縦靱帯と黄色靭 帯がありますが、両者ともに骨のように硬くなり厚くなることがあり、後縦靱帯骨化症あるいは黄色靭帯骨化症と呼ばれています。遺伝的な素因が指摘されてい ますが、ゆっくりと大きくなり脊髄を圧迫するようになるために、圧迫が強くなるまで症状が出ないことが多いのですが、一度、症状が出ると急速に進行して、 元に戻らないことが多いと言われています。従って、靭帯骨化症も比較的早い目の手術が推奨される場合があります。後縦靱帯骨化症は頸椎に発生することが多く、難病の特定疾患に指定されています。黄色靭帯骨化症のほとんどは胸椎に発生します。

  • 5.脊髄腫瘍脊柱管内に発生する腫瘍は脊髄や神経を圧迫して症状を発生します。多くは良性腫瘍で、摘出すると治癒することが多いです。小さくて症状の軽微なものは経過観察しても良いですが、脊髄の圧迫があるものは早い目の手術が推奨される場合があります。

適切な治療法を決定するためにどのような検査が必要ですか?
最初に単純レントゲン撮影の検査を行い、脊椎骨の形状や配列、動きを観察することが診断の基本になります。神経症状が明らかな 場合には、CTを追加して、脊柱管の狭窄の程度を観察します。レントゲン撮影とCTによりおおまかな事がわかりますが、最終的には脊髄や神経の圧迫の程度 を観察する必要があり、脊髄が描出できるMRIの検査を行います。しかしながら、MRIの検査でも判然としない場合もあり、確定診断のために脊髄造影や神 経根造影を必要とする場合があります。また、ペースメーカーを装着しておられる方や閉所恐怖症の方はMRIの検査をすることができないために脊髄造影が必 要になります。脊髄造影や神経根造影は針を体に刺して造影剤を注入する検査であるために1泊程度の入院が必要になります。
どのような治療法がありますか?

脊椎の病気では、生活習慣の改善から始めることが基本です。良い姿勢をとること、身体を冷やさないこと、適切な枕を使用すること、軽運動を定期的に心がけ ること、和食を旨とすることなどです。痛みや痺れに対しては薬物を使用することもあります。また、牽引や鍼灸や整体などの治療が奏功することもあります。 しかしながら、これらの治療を行っても症状が改善しない場合や、症状が進行する場合には手術を考慮します。

信愛会脊椎脊髄センターでは、できるだけ傷口の小さい侵襲性の低い手術を行うことを基本にしています。頸椎の病気に関しては、前方から行なう頸椎前方固定 術と後方から行う頸椎椎弓形成術が基本になりますが、場合により後方からの固定術が必要になる場合があります。病気の種類と程度により適切な治療法が選択 されますが、後方からの固定術を除いて3~4 cm の小さな皮膚切開から手術が可能です。胸椎や腰椎では後方からの手術が基本となります。腰椎椎間板ヘルニアでは2~3cmの小切開による顕微鏡下の椎間板 摘出術を行っています。腰部脊柱管狭窄症では、狭窄している範囲に応じてできるだけ小さな皮膚切開を行い、顕微鏡下の手術により除圧を行っています。腰椎 分離症,腰椎すべり症や高度の変形がある場合には腰椎固定術を行う場合がありますが、その場合でも、経皮的にスクリューを挿入するなどして低侵襲手術を心 がけています。

  • 変形性顎椎症に対する顎椎椎弓形成術
  • 腰部背柱管狭搾症に対する顕微鏡下における除圧手術
手術治療を受ける場合どの程度の入院期間が必要になりますか?
全身状態に問題がなければ、入院翌日の手術になりますが、糖尿病や心臓病がある方には、それらの病気をコントロールするために入院から手術までの期間が長くなる場合があります。ほとんどの手術で、手術翌日からの離床が可能となり、歩くことが可能となります。創部が治癒すれば退院可能になりますが、創部の治 癒までに術後1週間程度必要です。また、創部感染などの問題が発生すれば退院が延びる可能性がありますが、その可能性は数パーセントです。また、術後、リ ハビリが必要とされる場合には、リハビリに必要な期間だけ入院が延長されます。
手術によりどの程度日常生活が制限されますか?

頸椎の手術の場合、手術翌日から頸椎カラーを装着していただいて、歩行あるいは歩行訓練をしていただきます。その後の装着期間は手術時の骨の強度を観察し て決定していますが、概ね数日から数週間程度です。頸椎カラーをはずした後は、自動車の運転が可能となりますが、ゴルフ等のスポーツは術後2カ月程度され ない方が良いです。

腰椎の手術の場合、手術翌日から腰椎コルセットを装着していただいて、歩行あるいは歩行訓練をしていただくことがほとんどですが、手術法により数日安静に していただく場合もあります。腰椎コルセットの装着期間は、手術の侵襲の程度により異なりますが、概ね数週間から3カ月程度です。腰椎の場合は腰椎コル セットを装着したままで自動車の運転が可能となりますが、激しい運動は術後3カ月程度されない方が良いです。

手術を選択するかどうかはどのような基準で決めたら良いですか?
手術では、保存的治療に比べて症状の改善の効果が高い確率で早期に認められます。しかしながら、症状が改善する確率は100%ではなく、効果が認められな い場合もあることは事実です。しかも、逆に症状が悪化したり、新たな症状が発生したりする可能性もわずかですが存在することも事実です。従って、手術の選 択にあたっては、利点と欠点を十分に理解された上で決断されることをお勧めいたします。